こんにちは。
チラホラとインフルエンザの患者さんがみられるようになってきました。
そろそろ今年もシーズン到来です。
といっても、この段階で冬休みに入りますので、おそらくここで一段落して、
実際に流行になるのは1月半ばになるのではないでしょうか。あくまで予想ですが。
子どもの場合、1シーズンあたり、およそ30%くらいがインフルエンザを発症します(0-5歳で20%、5-9歳で35-40%、10-14歳で25-30%くらいです)。
インフルエンザワクチンを接種することで、この発症率をおよそ1/3に下げられます。
いずれにせよ、シーズン入り目前ですので、今回は小児科医として、家に準備してあったら楽だな、と思うものを挙げてみました。
保護者が感染しないように
まず、看護する保護者が感染してしまうと大変なので、自分の身を第一に守ってください。はじめから諦めないでくださいね!
マスク
マスクは多くのご家庭にあると思います。
鼻や顎をカバーするために、プリーツが入っているものがよく、いわゆる「サージカルマスク」と呼ばれる製品がよいでしょう。
より密閉度の高いN95マスクは、息苦しくて長時間装着ができず逆効果なので、やめておきましょう。
アルコール手指消毒剤
液体タイプやジェルタイプがありますが、どちらでも好みで良いでしょう。
手荒れしやすい方は、気休め程度ですが、湿潤成分が入っているものを選ぶと良いでしょうね。
使い捨て手袋
手洗いやアルコールで手荒れをする方は、手袋の用意があると良いかもしれません。
インフルエンザでなくても、嘔吐下痢の処理をするときには必須アイテムです。
購入するときにはラテックスアレルギーがないか注意していただくことと、刺激の少ないパウダーフリーのものを選ぶようにしてください。
少しだけ高いですが、ニトリル手袋であればこれらの心配がありませんので、おすすめです。
感染した家族のために
経口補水液・ゼリー
経口補水液は各社から商品がでています。
ある程度の年齢以上の方であればスポーツ飲料でもよいのですが、糖分が高く塩分が薄いので、水分摂取には不向きです。基本的には経口補水液を使用したいところです。
この分野の先鞭は、大塚製薬の「OS-1」でしょうか。おすすめですが、ナトリウム濃度が50mEq/Lと「適切な高さ」であるため、塩味が感じられて子どもが飲んでくれない場合もあるようです。飲んでくれるなら、ナトリウム濃度はこのくらいが良いのですが。
OS-1にはゼリータイプもあり、これを冷やしておけばかなり飲みやすくなりますので子どもにおすすめです。
味の素の「アクアソリタ」は、すこしナトリウム濃度は落ちます(30mEq/L)が、その分のみやすく、ゼリータイプもありますし、りんご味などのフレーバーもついていますので、子どもに与えやすいと思います。
(COIはありません。念の為)
解熱薬
インフルエンザは、基本的には水分をとって解熱薬を適切に使用し、あとは寝ておけばほとんど治る病気です。
「解熱薬の使いすぎ」を懸念される保護者さんもいらっしゃいますが、
解熱薬の使用の有無で病気の期間が延びる、というデータはありませんし、
あくまで適切な使い方の範囲内で、積極的に使って良いと思います。
常備の解熱薬があれば、夜間に急いで病院にかかる必要性をぐっと下げられます。
市販薬であれば、子どもの場合は「アセトアミノフェン」のみ入っているシロップがおすすめです。
解熱薬以外の子ども用のかぜ薬は、使わないことをおすすめします。
インフルエンザに限った話ではなく、一般に、使わないほうが良いです。
いろいろなかぜ薬シロップの成分を確認しましたが、問題があって小児科医であれば処方しない、するとしても条件を考える、ような成分が含まれているものが大半です。
この件については、いつか別に記事に書ければと思います。
熱を下げるシート(?)
よく言われますが、体温を下げる効果はありません。なので、医学的におすすめできるものではありません。
ただ、気持ちがいいのは確かです。我々が子どもの頃、おでこに濡れタオルを当てていたことと同じです。
ですから、子どもがしんどそうなら使ってみて、少しでも気持ちよくなってくれれば、それで良いと思います。
もちろん、そういった商品でなくても濡れタオルでも効果は同じです。
困るのは、「シートを貼っているのに熱が下がらない」と困る保護者さんがそれなりにいらっしゃることで、それとは別に解熱剤は適切に使用していただければと思います。
以上、適切に準備しておくと、いざ感染者が家族にでたときに慌てなくてすみますし、家族内感染率を大きく下げることが可能です。
子どものほかに、ご高齢の方や病気療養中の方がいらっしゃるご家庭でも、気をつけてみてはいかがでしょうか。
最近読んだ本
京田辺に来る前は、主に松井山手の「新興住宅地」イメージが先行していたのですが、来てみていろいろと眺めてみて、橿原地域、奈良市、京都市とともに京田辺や山城などの京都南部地域も古代から中世の日本史の表舞台であったことに気付かされました。
以前から、邪馬台国から暗黒期、古墳時代に興味をもっていました(しかしながら高校では世界史選択でした)ので、通勤中に何冊か本を読んでみています。でも、難しいのでたいてい寝てしまうのですが。
私の日本古代史〈上〉天皇とは何ものか―縄文から倭の五王まで (新潮選書)
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