こんにちは。
近隣地域で水痘が流行しています。経験したことのない患者数です。
水痘は感染力が非常に強く、同じ部屋にいるだけで感染します。
発疹に気づくことなく登校してしまうと、クラスで感染を広げてしまうことになります。
しかし、発疹だけで発熱がない事が多いので見過ごされがちであり、残念ながら、数日間学校に通ってしまっていたケース等もあります。
ご注意:
当面(数週間以上)の間、登園・登校の前に、お子さんの体に水疱が出ていないかを確認して下さい。
手足口病との区別が問題となるかもしれませんが、
「水痘は、水疱が腹部や背部にもでる:手足口病は手足・膝・臀部・口の周り」
「水痘は、水疱の周りが発赤する、横方向に伸びる楕円形の発赤がある:手足口病は疱疹のみ」
「水痘は、あまり高熱にならない:手足口病は高熱」といった違いがあります。←手足口病 / 水痘→ また、水痘の疑いのある患者さんはクリニック内に入っていただくことができません。
当院での診察は屋外、駐車場での自動車内で行っております。水痘の疑いのある方は、当院でも予約コメントをみて留意しております。
発疹について、予約時にコメントを入れておいていただけると助かります。
現在、水痘は乳児期に2回ワクチンを接種しているので、重症化することは減っていると思われますが、その強い感染力により、感染・発症することを完全に防ぐことはできません。
医師と、一般の方とで、水痘に感染する怖さについて温度差を感じることがあります。
昔ながらの考えですと、水痘は誰もが感染するものでした。「小さい頃に感染してしまえば軽い」と信じられていた時代には、わざわざ感染させてもらいに子どもを接触させていたことを、ご存じの方も多いでしょう。
しかし、私たち現代の小児科医は、水痘を「絶対に子どもには感染させたくないウイルスの一つ」であると認識しています。
その理由は主に2つです。
・認知症になる確率を上げると推測されていること
・帯状疱疹の原因になること
水痘と認知症
以前からその関係性は疑われていましたが、近年、徐々に証拠が揃ってきています。
水痘ワクチンの公費接種が始まってから出生した人では、認知症の発症率ががくんと減っている、という海外のデータもあります。
最近の子どもは、少なくとも2回ワクチンを接種しているので、その後に感染しても認知症は増えないかもしれません(それがデータに現れるのはまだ先になるでしょう)。
私としては、「子どもが感染した場合の親」について特に不安を感じます。
今の親世代は、ワクチンが有料で始まった境目の世代のため、
「ワクチンは接種していない、1回しか接種していない」
にもかかわらず、
「水痘に感染したこともない」
方が多いように思われます。
となると私たちとしては、「親御さんが感染したら心配だ」と考えるのですが、
意外にマッチョに「気合で頑張ります」のように言われることもあり、肩透かしというか、もうちょっと自分の防御に気を配ってほしいと思うこともあります。自分が発症したら、さらに周りに感染を広げることにもなりますからね。
水痘と帯状疱疹
水痘を含むヘルペスウイルス属は、一度感染すると体内に一生残ります。
そして水痘ウイルスは、疲労・抗癌剤治療・老化などにより、免疫能が低下した場合に、皮膚に「帯状疱疹」として再燃・発症します。
帯状疱疹は非常に痛く、痒く、苦しい病気として知られています。とくに高齢になってからや、抗癌剤治療中などでは、その治療に苦労することがあります。近年、50歳以上を対象(公費では65歳以上)に、帯状疱疹予防のための予防接種が始まりましたので、それでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
私は水痘の子を見るたびに、「ああ、この子の体内に帯状疱疹の種を残してしまった」と、申し訳ない気持ちになります。
水痘患者に接触する場合の予防方法
一般的なマスクは無効で、隔離が必要です。
予防には、予防接種を受ける方法と、予防内服をする方法(非推奨)があります。長くなりましたので、次の記事で書かせて下さい。

