こんにちは。
お世話になった先輩が小児科医院を開院されるので、昨日、内覧会にお邪魔してきました。細かい気配りの効いた、広々とした施設でした。一般の方の内覧は本日5/26のはずです。
一般的な小児科の診療を腰を据えて丁寧に行いつつ、重症心身障害児、医療的ケアが必要な子どもとご家族のために、訪問診療や一時預かり施設も始められる(予定)ということで、
自分の専門性を社会のためにより良く生かしていこうという、目的をもったご開業のようです。
医院案内|滋賀県守山市金森町の小児科ならくまだキッズ・ファミリークリニック
関係ないですが、先輩と学生時代二人でファミスタをしてると、前半攻められた私が後半逆転勝ちすることが多かったんですよね。 あれは後輩への気配りだったんじゃないかと思います。
さて、前回、「子どもの病気と受診について① こんな軽症で受診してもいいの?」という記事を書きましたが、 今回はその② 咳が強い時はスマホを思い出してほしい 編です。
気になる咳をしてたらスマホで録画してください
咳がつよい。それはどんな咳でしょうか?
要望されるお薬で多いもの筆頭「咳を止める薬」なんですが、「咳止め」のお薬はありません。
いえ、あるにはあるのですが、いろいろ問題があって、とくに小児への単独使用はほとんど行われません(これが割と市販薬には入っているものが多くて、問題だなあと感じたことを「市販の子ども用かぜ薬を、どう使うか」の記事に書きました)。
私たちが咳に薬を使うのは、「咳を起こすような原因を和らげる」ことによって「咳が自然に止まるまでの間、できるだけ楽に過ごせるようにする」のが目的です。
咳を強制的に止める、ということはしません。
咳の原因を和らげるためには、「何が咳を起こしているのだろうか」ということを、症状や所見から推測することが必要です。
その推測に合わせて、痰を切る薬であったり、気管を広げる薬、鼻汁のコントロール、アレルギー、抗菌薬、そういった薬を組み合わせることと、
あとは、それらの薬がいつ効果のピークを迎えたらよいのか、症状に合わせてその都度調整しています。
「この子の咳はこの薬を使えばいつも止まる」というわけではないのが、難しいところです。
そういうわけで、私たちは「どんな咳なのか」をとても知りたいのですが、、、どんな咳かを言葉で表現するのって、とっても難しいんですよね。
それに多くの場合、咳は寝ている間のほうが強かったり(強く感じたり)します。診察室では咳をしていないことが多いですし、聴診器を使おうとも、咳をしているときに聞かないと、証拠がつかめません。
というわけで私が常々思っていること、それは「気になる咳をしてたらスマホで録画してください」です。
咳をしているときにはその音だけでなく、表情とか、肩や胸郭の動きも大事な情報なので、録音ではなく録画が望ましいと思います。
誰もが身近に必ず録画できるデバイスを持っている時代、考えたら凄いことですが、これを生かしたら、もっと診察が正確になるように思います。