こんにちは。
B型肝炎ワクチン
生産の遅れからご迷惑をおかけしておりますB型肝炎ワクチンですが、現在のところ、いつぐらいに接種が再開できるかの見通しはたっていません。
年内に生産は再開されるそうですが、再開されたロットが無事検定を通るかどうか、製薬会社から末端のクリニックに届くようになるまでどれくらいの期間がかかるか、まだ予断を許さない情勢です。
当院では、主にB型肝炎ワクチン3回目の接種の方を中心に予約を待機していただいております。接種が可能となり次第、連絡を差し上げる予定です。
1歳までに3回目を接種しないと公費負担がなくなってしまいますが、おそらく、それまでには接種可能になると予測しております。
(厚労省の試算では不足しない予想になっておりましたが、残念ながら現場では不足しております。 現実には様々な思惑が絡むので、机上の数字通りにはいかない面があるようです。)
ワクチンの生産
ワクチンの生産は基本的に高コストで、製薬会社にとっても報われない分野だと思います。
そのため、参画する業者が少なく、ひとつ問題が発覚したときに、他社にも余力がないために一気に不足に陥り、全国の子どもを中心とする消費者に、大きな影響が出てしまいます。
よくワクチンを目の敵にする人たちに、製薬会社の利権、等と言われることがありますが、どちらかというと彼らは多大なコストを払いながら、ギリギリの利益を得ておられるように思います。
医療分野でいうと他にも、もっとも基本的な抗菌薬の一つである「セファゾリン」の一部欠品が続いています。セファゾリンはとくに手術に際して最も使用される抗菌薬であり、その影響は甚大です。
このように色々と不足する事態になってみてわかりますが、どうも、コストカットを重視しておこなわれてきた様々な施策が、医療をはじめとした様々な分野において、本当に必要な余力まで、奪ってしまっているように思います。
生産力を最適化して効率的にするのも大切なことではありますが、過剰にコストカットするのではなく、非常時にむけて余力を維持しておくほうが、最終的にはそのほうがコストがかからなかった、という結果につながるのかもしれません。
近況
別件ではありますが、クリニック開業後も前職場のNICUにて非常勤(夜勤)を続けさせて頂いておりましたのを、2019年9月をもって退職することにしました。
そもそもNICUのある施設に就職したことも、開業後も続けていたことにも、今回辞めることにしたのも、理由はここには書ききれません。
しかし、一言でいうと、続けていたのは小児科医としての修練、新生児への対応経験がおろそかにならないようにするためであり、辞めるのは、後任者の戦力が十分となって、腕の落ちてきた自分が対応することで患者さんに悪影響が出ないようにするためであります。
前職場では、引き続き別件で籍を頂いており、短時間ではありますが勤務と協力を継続させていただく予定です。