よしだこどもクリニックのブログ

京田辺市三山木駅前 小児科医院のブログです

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ワクチンの保管の話

こんにちは。

 

インフルエンザワクチンの予約が始まっていますが、当院はWeb上から20日先まで予約可能にしておりまして、20日前の朝の段階で枠が埋まってしまう状態となっています。

 

最大限に枠を増やしていますが、インフルエンザ以外の予防接種の方の枠を維持するため、また、接種ミスが起こらないようにするためにも、安全に実施できる本数に調整しております。申し訳ありません。

 

ワクチンの保管の話

さて、ワクチン類はその有効性を保つために、医療機関でも厳密な管理が求められます。


ワクチンによって10℃以下、2〜8℃、5℃以下などと定められており、WHOは、すべてのワクチンは5±3℃の範囲内で管理することを勧めています。

 

このような管理は一般の家庭用冷蔵庫では難しいので、当院では、温度管理を厳密にできる薬品用冷蔵庫に保管し、5℃で管理しています。

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ですが、地震があったり、この夏もときどき瞬間的な停電があったりしましたので、倒れて扉が開いたままにならないか、再通電後にちゃんと冷やされているか、とか、考え出すとキリがないのですが、不安がありました。

 

一応、冷蔵庫に温度監視装置の正規オプションをつけることもできたのですが、、、もの凄く高かったんです(そもそも薬品冷蔵庫自体が高い、、、)。

 

という話を某SNS上でしていたところ、某先生より温度監視機器のアドバイスを頂きまして(ありがとうございます)遅ればせながら購入し、設置してみました。

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これで、Web上からいつでもどこでも、冷蔵庫の温度管理状況を知ることができます。

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グラフを見ると、温度が安定して4-5℃に保たれていることが確認できます。扉を開けたときだけ温度が上がり、速やかにもとにもどっています。

 

また、温度が高くなるとアラートがメールで届くようにも設定することができました。当院のようにクリニックと私の居住地が離れているケースでも、これでワクチンがしっかり保管されていることがいつでもわかって、安心感が得られるようになりました。

 

ワクチンは予約管理、薬品管理、母子手帳の記録など、実際の接種以外の業務が複雑で多岐に渡り、オペレーションが大変な業務なのですが、少しずつ改善してゆこうと思います。

 

最近読んだ本

ランドスケープと夏の定理 (Kindle版)

ランドスケープと夏の定理 (創元日本SF叢書)

ランドスケープと夏の定理 (創元日本SF叢書)

 

 

ハードSF・・・と言いつつもこれはファンタジーとのボーダーラインにあるのではないか、あるいは極度に発達したSFはファンタジーと区別がつかない?のでしょうか。

 

表題作および「ベアトリスの傷つかない戦場」「楽園の速度」と合わせて三連作が収録されています。いわゆるゴリゴリのSFではなく、読感としては青春小説のような爽やかさが通奏としてあります。

 

知性の普遍化から始まり、知性発達の数式化、壮絶な量子計算機のアイデア、そこから得られる未来は、、、?え、そんなことしちゃうの(できちゃうの)?

 

・・・という跳躍はありつつも、著者の豪腕に納得させられる、読んでいてジェットコースターのように面白い、かつ、意外に地に足がついた感覚もある、SFでした。