よしだこどもクリニックのブログ

京田辺市三山木駅前 小児科医院のブログです(2017年6月1日開院)

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気管支喘息ってどんな病気?(1)喘息発作の治療

こんにちは

 

9月に入り、RSウィルスの感染症が増えています。また、各種ウィルス感染症が増えてくると、咳が長引いたり、中には、この子は「喘息のケ(気)がありますね」、と言われるお子さんも出てくるでしょう。「喘息のケ」って何なんでしょうか。

 

その前に、「気管支喘息」そのものが、どういう状況なのかを説明させて下さい。最近気温が急に低下していますし、台風も来るでしょうから、気管支喘息の患者さんも増えるものと思います。

 

気管支喘息の発作とはどんな状態?

 

気管支喘息の発作時には、

  • 呼吸時にゼイゼイと音がしたり、
  • 息を吐き出すことに時間がかかったり(ゼェェェーという呼気になる)、
  • それらをカバーするために呼吸回数が増えたり、
  • カバーしきれずに呼吸困難におちいったり、

します。

 

原因は、アレルギー性の炎症のために、急に気道が狭くなることです。


非常に簡単に説明すると、「気道の粘膜にじんましんができて、はなみず・鼻づまりが起きているような」イメージです。いかにも、呼吸がしづらそうでしょう?

 

どうして気管支喘息の発作が起きるの?

 

気管支喘息の原因は、ダニやホコリに対するアレルギー反応です。花粉を吸入してはなみず・鼻づまりがおきるのと同じ現象です。

 

通年性のアレルギー性鼻炎の患者さんは年中鼻が詰まっていますし、アトピー性皮膚炎の患者さんはいつも肌にかゆみがあります。

それと同じで、気管支喘息の患者さんの気管支粘膜はいつもすこし腫れていて、じくじくと炎症が続いています。

 

このような慢性的な炎症がつづいているところに、アレルゲンへの曝露、気候(とくに台風はよくない)、感染、タバコや線香などの煙、ストレス、等の原因が重なって、急に炎症が悪化して粘膜が腫れたり、気管支が潰れたりして空気が通らなくなり、喘息の発作になるのです。

 

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(杏林製薬様の冊子より、お借りしました。喘息患者さんは、平常時にも気管粘膜に炎症がつづいています)

 

気管支喘息の発作はどう治療するの?

 

これまで述べてきたとおり、気管支喘息の発作では、気管支の粘膜が腫れたり、気道が潰れたりして、呼吸ができなくなっています。

 

ですので、まずは気管支を拡げる薬、「気管支拡張薬」を使います。内服薬ではメプチン(プロカテロール)等で、これは素早く効くタイプ、貼付け薬や内服のホクナリン(ツロブテロール)はゆっくり長時間効くタイプの、気管支拡張薬です。

 

また、吸入する気管支拡張薬で気管支を拡げることもあります。小さなお子さんの場合、これを家で実施するために、吸入器を自宅用に購入していただくこともあります。

 

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(写真はオムロンの小型吸入器です)

 

さらに重症の場合(頻呼吸になり、酸素が体内に取り込めなくなっている場合)は、気管を広げるとともに、粘膜の腫れを抑える必要があります。このような場合はステロイドを内服するか、入院して点滴でステロイド薬を用います

 

内服や点滴のステロイド投与にはさまざまな副作用がありますが、だからこそ、繰り返し増悪しないように、必要なときは十分な量を投与する必要があります。副作用は、短期間の投与ではそれほど気にすることはありません。目の前の呼吸困難を治すことが最優先事項です。

 

ステロイドは吸入薬もあるのでは?と思われるかもしれません。予防については次の項に書く予定ですが、予防治療のための吸入のステロイド(パルミコート、フルタイド、キュバールなど)を喘息発作の時に臨時に用いても、あまり有効ではないというデータがあり、2017年時点では、発作時は内服または点滴のステロイドを用いるべきであるとされています。

 

以上が、「気管支喘息の発作が起きたとき」の治療です。

 

しかし、これだけでは気管支喘息を治療したことにはなりません。なぜなら、気管支喘息発作のダメージは肺に蓄積して、呼吸機能に悪影響をもたらすからです。


本当の治療には、「喘息発作が起きないようにするにはどうするか」を考える必要があるのです。

 

・・・

 

この項、長くなりましたので、つづきます。「喘息を予防する話」を次に、「喘息のケ」の話も、次か、その次にさせてください。

 

現在のような喘息の予防法がきちんと普及する前、といってもそんなに昔の話ではないのですが、喘息の患者さん方はとてもとても苦労し、そして時に命を落とされることもありました。