よしだこどもクリニックのブログ

京田辺市三山木駅前 小児科医院のブログです(2017年6月1日開院)

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インフルエンザの流行が始まりそうです

こんばんは

 

当院近隣でも、インフルエンザの流行が始まりました。昨日何人かの患者さんに聞かれましたが、おそらく今週から流行が大きくなるのではないか、とお答えしました。

 

前職場にて院内感染対策に携わっていることもあり、クリニックでも待合の患者さんができるだけ多くならないようにと普段から気にしておりますが、インフルエンザの流行期はなおさら気になります。

 

一方で先週は、患者さんを多くおまたせした時に、焦って丁寧さが疎かになっていないか、という反省もありました。

 


そのような理由もあって、当院は時間予約制および順番予約制としております。

 

原則的に、予約時間、予約番号の順番で診察しておりますが、それでも朝の10時過ぎ、夜の18時過ぎには、来院される患者さんが集中する傾向にあります

 

 

順番予約の場合は、予約ページ上で診察進行状況を確認していただき、自分の順番が近くなったらご来院いただければ、おまたせする時間が短くなります

 

また、メールアドレスをご登録いただければ、順番が近くなったら連絡が入るようになっております(時間予約の方には入りません)。

 

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(順番予約の場合、順番が近くなるとメールでこのような連絡が入ります)

(時間予約の方には入りません)

 

 

できるだけ、院内滞在時間が少なくなるよう、受診する際には参考にしていただければと思います。

 

また、インフルエンザの防御に最も必要なのは、手の消毒だと思っています。院内に設置してありますアルコール手指消毒剤は、積極的に使用して下さい

 

 

前回の続きでタミフルの話を書こうと考えていましたが、次の機会にします。よろしくお願いいたします。

インフルエンザワクチンの件と、タミフルの件

こんにちは

 

インフルエンザワクチンの納入遅延につき、予約いただいた方の接種を一部延期させていただき、新規予約の受け付けも停止しております。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

 

2017/12/8(金)にご予約頂いた分以降は、予定通り接種が可能となる見込みですが、不確実な要素もありますので、まだ予約の再開はしておりません。追ってWeb上でご報告いたします。

  

タミフルで異常行動の話は、その後どうなったか


さて、インフルエンザと言えば、治療薬のひとつタミフルが異常行動を誘発するのではないかと疑われ、現在も10歳代の方には処方を控える状況が続いています。先日、昨年度の調査結果が報道されたので、思い出された方も多いでしょう。

 

私達が小さな子どもに処方するときも、「こわい薬」と言われたり、異常行動を心配されるご家族がよくいらっしゃいます。

 

実は私自身も子供のころ、(たぶん)インフルエンザに罹って、何故か無性に哀しくなり、謎の壮大な涙を流した記憶があります。翌日にはサッパリ消えましたが。そのころ、タミフルなんてなかったですよね。


この話は騒がれた割に、最初から確かな証拠はありません。データを蓄積してみると、薬を使用しなくても異常行動はあり、タミフルでも他の薬を使用した場合でも、使用したほうが重度の異常行動は減少する、ということが分かってきました。異常行動は、インフルエンザ自体の症状の一つなのです。

 

 

下記は、厚生労働省研究班による調査結果です(2010/2011シーズン〜2013/2014シーズン)。数字は100万人あたりの発症率。

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平成27年度日本医療研究開発機構委託事業(医薬品等規制調和・評価研究事業)
「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」よりグラフ作成

 

軽度の「異常行動・言動」も含めると、インフルエンザ患者の10〜20%に発生するのですが、意外に高率なのに驚かれるかもしれません。投薬がある方が少ないとはいえ、投薬すれば異常行動がなくなってしまうわけではないので注意が必要です。

 

 

先日の報道は、厚生労働省から昨年度の調査結果と注意喚起がなされたことを知らせるものだったのですが、内容と異なりタミフルと異常行動に関連があるような報道を行った機関があり、一騒ぎとなりました(朝日新聞のほうは後に修正されました)。

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薬害が強く疑われれば対応が必要なのはもちろんです。しかし、タミフルに限らず、抗がん剤のイレッサやHPVワクチンのことも、同じ人達が中心となって薬害を訴えておられまして、証拠が精査される前から、このような方々の主張に沿ったイメージ戦略的な報道があるのは、社会的には損失であり、気にかかるところです。。。

 

異常行動に対応するために

 

というわけで、インフルエンザの患者さんは、投薬のあるなしにかかわらず、異常行動に気をつける必要があります。

 

異常行動は、9割が発熱後2日目までに発生します

・インフルエンザに罹患した子どもさんは、できるだけ一人にしない

・玄関や窓の施錠を確認する

・戸建住宅なら1階で寝かせる

などといった注意点がありますので、診断した患者さんにはお伝えしようと思います。

 

異常行動と関係ないなら、タミフルはどんどん使えばよいのか?


では、タミフルを含めて、インフルエンザに投薬はどんどん行って良いのかというと、そういうことでもありません。

 

重症化のリスクが高い方(乳幼児、高齢者、妊婦、慢性疾患(喘息、糖尿病、腎疾患など))には治療に積極的になりますが、健康成人の治療に必要かどうかは、ケースバイケースです。

 

個人的にはこれまで、小学生以上の患者さんに対しては、希望をお聞きしつつ、軽症例には処方しないこともある、というスタンスで治療を行ってきました。3歳以下であれば重症化のハイリスクとして、積極的な投与対象としています(0歳児へのタミフル投与も公に認められています)

 

次回は、インフルエンザの治療に関してよく聞かれるあれこれを、まとめようと思います。

インフルエンザワクチン新規予約停止の件と、保存剤チメロサールの件

こんばんは


報道にもあるとおり、全国的にインフルエンザワクチンの生産が遅れています。当院でも、納入できそうな分しかご予約いただかないようにしておりましたが、供給不足が顕著となったため、本日より、予防接種の新規受付を停止いたします。ご迷惑をおかけいたしますが何卒ご了承下さい。

 

既にご予約いただいている分については、今のところ確保できる見込みですが、予断を許さない状況です。遅延が見込まれる場合は、改めて当院よりご連絡いたします。

 

2017.11.21 追記

 

11月29日〜12月6日予約分のインフルエンザワクチンについて、当院納入分がキャンセルとなり、遅延が生ずる見込みとなりました。申し訳ございません。


対象の方々には、代替の接種日について順次ご案内を差し上げております。連絡をお待ちいただければと存じます。何卒ご了承下さい。

 

追記終わり

 

ワクチンに含まれる保存剤とは?

さて、最近、診察の際やお電話などで数回、当院のインフルエンザワクチンがチメロサールフリーかどうかを確認されました。


チメロサールは、一部のワクチンに保存剤として添加されている水銀化合物です。現在日本で日常的に接種されているワクチンのなかで、チメロサールを含むのは一部のインフルエンザワクチンと一部のB型肝炎ワクチンのはずです。

 

かつて、チメロサールにある種の害があるのではないかと疑われたことがあるので、確認を頂く方は、そのために念のため確認されるのでしょう。


結論を申しますと、当院では、チメロサールの有無を患者さんに指定して頂くことは行っていません。チメロサールによって、何らかの影響がでたという調査結果はなく、疑いは既に否定されているからです。

 

乳児でも、妊婦さんでも、授乳中でも、普通のインフルエンザワクチンを接種していただいて問題ありません。

 

また、含まれるチメロサールはメーカーの努力により以前の1/10以下となり、許容量を大幅に下回っています。マグロの刺身のほうが遥かに多くの水銀を含有しています。

 

どうしてチメロサールが問題とされたのか?

1990年代〜2000年前後にかけて、ワクチンに含まれる水銀は有害なのではないか、とりわけ、自閉と関連があるのではないか、という主張がなされたことがありました。

 

この仮説は、水銀中毒と自閉スペクトラム症の症状が類似している、ということ(だけ)が根拠だったのですが、この時点ではデータが不十分であったので肯定も否定もなされず、ワクチンに含まれるチメロサールはできるだけなくしてゆく方針がとられました。

 

その後、チメロサールと自閉の関係は、調査により否定されました。ワクチンそのものも、ワクチンに含まれる水銀も、自閉とは無関係です。これが2000年代前半のことです。

 

残念ながら、この説は現在に至るまで都市伝説のように生き残っています。悪名高い某反ワクチン論者がこの説にとびついたこともありました。とくに、妊婦さんや小さな子どもさんに対しての接種に、不安をもたれる方がいらっしゃいます。

 

当院の考え方

私は、不安に思われる事自体は、自然なことだと思います。このような話を聞いたら、頭では分かっていても気分的に嫌なイメージを持ってしまうのは、当然のことです。

 

現在でも、チメロサールフリーのワクチンを選択的に提供しているクリニックもあるそうです。それもまた、そのような立場があることは理解いたします。

 

ただ、私の個人的な考え方としては、すでに否定された主張により不安を持たれる方に対して、不安に万事沿って対応するよりも、不安に思う必要がないことを繰り返してお話しすることのほうが、医療従事者として正しいあり方のように思っています(これもケースバイケースではありますが)。 

 

結論

妊婦さんでも、授乳中でも、乳児でも、どのようなインフルエンザワクチンを接種しても問題ありません。現在のワクチンに含まれるチメロサールは極微量です。それによって、自閉を含む何らかの影響がでたという調査結果はありません。

 

妊婦さんや授乳婦さんは、ワクチンに含まれる水銀よりも、魚介類から水銀を摂取しすぎないようにに気をつけてください。

 

参考

有機水銀を含まないチメロサールフリーのインフルエンザワクチン 2017年生産動向と妊婦・胎児への影響

横浜市衛生研究所:チメロサールとワクチンについて

 

メールアドレス登録のお願い

こんばんは。

 


当院は開院時から、Web上にて時間を指定して予約をとっていただく体制にしておりましたが、10月初旬より、時間指定ではなく診察順番にて予約していただく時間帯を設けております。

 

具体的には、
午前は、9時〜11時:時間指定、11時以降:順番取り
午後は、17時〜18時:時間指定、18時以降:順番取り
となっています。

 

全部時間指定にできればよいのですが、時間をかける必要がある患者さんがいらっしゃったときに、時間指定だとどうしても後半にまで遅れがおよび、多くの患者さんを待合室でお待たせすることになります。

 

そこで、患者さんが診察の進み具合を見ながらご来院いただけるように、という理由で、診察の後半を順番取りとさせていただいております。

 

順番取りの時間は、来院前の患者さんに診察の進み具合を把握していただけるように、2つの方法を用意しております。

一つは、予約のWeb画面を見ますと、現在の診察進行状況がわかるようになっております。時間指定予約の診察中は、現在どの時間の予約まで診察が進んでいるかが表示されます。

 

順番取りの時間帯は、「未来院の患者さん」「待合室にてお待ちいただいている患者さん」の番号が表示されます。まだ未対応ですが、いずれ、およその待ち時間が表示できたら良いな、と思っています。

 

もう一つは、メールによる通知です。
メールアドレスをご登録いただいていると、診察順番が近くなった方にメールが送信されます(メールが送られるより前に来院されますと、メールは送られません)。

 

来院時間をスムーズに把握していただけるように、ぜひメールアドレスの登録をしていただけますよう、お願い致します。

 

予約Web画面の下方、以下のボタンからご登録頂けます。

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来院時の、他のご注意点 

なお、予約をとられずに来院された場合や、予約の時間や順番に大幅に遅れて来院された場合は、申し訳ありませんが予約すみの患者さんを優先するため、待ち時間がどうしても多めに発生してしまいます。できましたら、予約をとっていただいてから来院されますよう、お願い致します。

 

ただし、保護者様の目からみて状態が悪いのではないかと思われた場合は、予約や時間によらず速やかにご来院下さい。状況をみて、必要であれば順番にこだわらず診察させていただきます。逆に、そのような事情で、順番をとばして診察することがございますので、お待ちの患者さんは何卒ご了承下さい。

 

もう一つ、順番指定の予約数にも限りがあり、一杯になってしまう日があります。このような日は申し訳ありませんが、遅めの時間に直接ご来院いただいて、診察順を待っていただくようにお願い致します。

 

 

当院では、できるだけ、待合室に滞在される患者さんが少なくなるように工夫をしておりますが、それでも時間帯によっては混雑することがあり、申し訳なく思っております。もっとできることがないか、考えてゆきたいと思います。よろしくお願い致します。

 

気管支喘息ってどんな病気?(3)「喘息のケ(気)がある」とは、どういうこと?

前回までは、気管支喘息とはどういう状態か、喘息発作が起きたときはどう治療するのか、また、発作をそもそも起きないようにするための長期的な予防治療について、お話ししてきました。

 

気管支喘息ってどんな病気?(1)喘息発作の治療 - よしだこどもクリニックのブログ

気管支喘息ってどんな病気?(2)喘息の長期的な予防 - よしだこどもクリニックのブログ

 

とくに乳児期の長期予防については、「喘息」とははっきり言われずに、「喘息の気がある」などとして、「オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)」の処方をされる、というケースもあるかもしれません。

 

個人的には「喘息の気がある」という言い方はあまりしないのですが、この言葉を使わずにわかりやすい説明をできているかどうかは、自信をもっては言えません。なぜこうはっきりと言われないことが多いのでしょうか。

 

乳児のゼイゼイのその後 3パターン

非常に簡単に言うと、乳児期のゼイゼイのその後には以下の3パターンがあるのではないかと、言われています。

 

 かぜ(ウィルス感染)のときに頻繁にゼイゼイというが、それは気道の細さや筋肉の弱さといった個別的な理由によるもので、3歳くらいまでに、かぜをひいてもゼイゼイ言わなくなるパターン。

 

 乳児期にかぜ(RSウィルスなどのウィルス感染)にかかったあと、気道の粘膜が過敏になっていると推測され、3歳をこえて6歳くらいまでは、ゼイゼイが繰り返すパターン

 

 ダニやホコリに対するアレルギーがあり、これに気温や気圧、ストレスなどの環境要因が重なって発作に至る、いわゆる気管支喘息のパターン

 

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(出典)診断、鑑別診断、病型分類 | 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン ハンドブック2013 ダイジェスト版 より加工

 

乳児のうちは、ゼイゼイということの殆どは、かぜ(ウィルス感染)に続発して起きるものです。ゼイゼイといっているときの状態は(微妙に違うのですが基本的には)喘息と似た病態であると解釈され、喘息発作と(微妙に違うのですが基本的には)同様に、気管を広げる薬などで対応します。

 

そして、このようなゼイゼイを繰り返す場合は、(2)喘息の長期的な予防でお話したのと同じように、長期予防内服やステロイド吸入の提案をすることになります。

 

 

このように、乳児期の感染に伴うゼイゼイに対しては喘息と同様の薬剤を使用する場合が多いです。


このときに「気管支喘息の治療を併用しますね」と言いますと、患者さんは「3のパターン」の気管支喘息を想像され、将来に渡って喘息の治療が必要な子どもであると思われるかもしれません。「エッ、うちの子は喘息なのですか?」と仰られることをよく経験します。ですが、ゼイゼイがその後いつまで繰り返すのか、上記の1〜3のどのパターンとなるのかはこの時点でははっきりとは確定できないのです。

 

気管支喘息という言葉を使うと、保護者さんを驚かせてしまうかもしれませんし、上記の1〜3のパターンの説明が必要になってしまいますから、それを省略する意味もあり、あまり乳児期から「気管支喘息」と明言せずに、「喘息の気がある」という言葉が使われるのだと思います。

 

 

「喘息の気がある」とは、乳児期に風邪をきっかけにしたゼイゼイがあったり、それが繰り返したりしたりする子どもさんに、喘息の投薬をしたい。ただ、将来的にもこの症状が続き気管支喘息になるかどうかはわからない、おそらく可能性は低い。そんな子どもさんの状態を、とりあえずご説明するときの言葉だと思います。

 

先に述べたように、個人的にはこの言葉をあまり使いません(使うこともあります)。「気がある」といってぼかすよりも、「喘息症状を呈しがちな子どもさんだけど、短期間でよくなることも多い」という上記のような説明を、省略しないほうがわかりやすいかな、と、これは個人の考えなので色々と医師によって考えが違うと思いますが、自分ではそう思っているためです。

 

10月4日(水曜日)から、一部時間帯に順番予約を導入する予定です

こんにちは。

 


当院では、2017年6月の開院後、Web上から「時間を指定して」ご予約いただくよう、運用しておりました。

 

ただ、日にもよりますが、患者さんが集中するとどうしても、後半の時間帯は遅れがちになってしまっています。

 

時間を指定しての予約のほうが、ご来院頂く時間を最初から確定できますので、患者さんからみると利便性が高いことは承知しておりますが、

混雑時には、時間通りにご来院いただいても長めの待ち時間が発生してしまい、かといって一人ひとりの診察を疎かにもできませんから、心苦しい思いをしておりました。

 

そこで、10月4日(水曜日)から、すこしだけ、予約の体制を変更させていただきたいと考えています。

 


 

9時〜11時17時〜18時は、これまで通り、時間を指定して予約をしていただけます。指定していただく時間は30分刻みから、15分刻みに細かくなります。

 

朝の11時以降夕の18時以降は、順番取りで予約していただく形になります。
午前は101番〜午後は201番〜の番号がふられる予定です。

 


 

順番予約の最初の方は、11時・18時を目安にご来院いただくことになると思います。

それ以降の方は、Web予約の画面から診察の進行状況を確認できる他、順番が近づいたら登録されたメールアドレスにご連絡させていただく予定で準備しております。

 

 

変更に伴いご迷惑をおかけしますが、待ち時間を少しでも短くできるようにするため措置ですので、何卒ご了承頂ますよう、よろしくお願いいたします。

 

気管支喘息ってどんな病気?(2)喘息の長期的な予防

こんにちは。

 

前々回、気管支喘息の発作が起きたときの治療について、基本的なことを書かせていただきました。

気管支喘息ってどんな病気?(1)喘息発作の治療 - よしだこどもクリニックのブログ

 

 

2017/10/15 追記 続きを書きました

気管支喘息ってどんな病気?(3)「喘息のケ(気)がある」とは、どういうこと? - よしだこどもクリニックのブログ

追記終わり

 

実のところ、こういった喘息の治療のしかたは、医師によって大きく変わることは基本的にはありません。

 

どのような治療方針が一般的に勧められるのか、という点については、これまでのデータがまとめられて診療のガイドラインとなっているからです。

 

他の病気でも同じですが、ガイドラインは基本方針ですから、一つの画一的な方法が定められているわけではありません。また、「これが正しい、他の治療はダメ」という性格のものではありません。

しかし、これまでの治療に関するデータを積み重ねた上での専門医の共通意見ですから、基本的には重視しながら診療に当たります。

ガイドラインをもとにしつつ、個別の患者さんの病状や、ご家族の意見や状況などにあわせて、臨機応変に対応していくわけですが、大きく逸脱しないかぎり、全国どこの医療機関であっても、基本的には同じ方向性で治療されることになります。 

 

ということで、前々回の続き、「喘息発作が起きないようにするにはどうするか」の基本方針は、どのようなものでしょうか。

 

 

気管支喘息の予防とは?

生活環境を整える

まず基本的なこととして、生活環境の因子を調整することがとても大切です。

  • 妊娠中を含めて、タバコの煙に曝露されないようにすること。
  • ダニ、ホコリとの接触を回避すること。
  • ウィルス感染を予防すること。

いずれも、現実的にはなかなか、難しいこともあるのですが、しかしタバコの害については最近だいぶ周知されてきたように思います。ただ、最近話題の「加熱式タバコ」の毒性については、まだ十分に評価されているとはいえません。少なくとも、加熱式タバコに変えたから周囲の害はゼロ、とは言えないはずです。まず禁煙するという選択肢が最優先であることには変わりはないでしょう。

 

生活環境を整えるといっても、例えば喘息だからと過剰に運動を控えるとか、皆が一緒にやることをこの子は休みますとか、そういうことは、望ましいことではないと思います。

なにも治療しなければそのように制限しないといけない患者さんを、できるだけ普通の生活ができるようにするためにこそ、予防治療があるのです。

 

 

薬物による喘息予防

気管支喘息の発作が一定の頻度以上で繰り返すとき、私たちは「予防治療を行いましょう」と提案します。


前回説明したように、気管支喘息の方の気道には、慢性的に起きている「炎症」がありました。発作のときだけではなく、いつも、気道がジクジクと腫れているのです。これに何かのきっかけが加わると、すぐに空気の通り道がなくなって、気管支喘息の発作に至ります。


予防治療では、この慢性的な炎症を軽減するような投薬を行います。

 

どうして、発作が起きるたびにその都度治療する、という方針では良くないのでしょうか。

これは、慢性的な炎症の持続や、発作の繰り返しによって、気道の構造が変化し(リモデリングと言います)、呼吸機能が低下してゆくおそれがあるためです。

また、「発作が起きるかもしれない」と心配して子どもの生活を制限するよりも、投薬によって、不安なく普通に活動できる生活を手に入れることが、子どもの生活の充実、健康な発達にとって大切なことだと考えられます。

 

実際の投薬内容


長期的に予防する手段のひとつは内服で、オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)といった抗アレルギー薬があります。

 

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このような内服薬は喘息発作のときに短期間用いることもありますので、よく見かけられることがあるでしょう。本来はこのように長期間用いるための薬です。

 

 

もう一つの予防手段はステロイド薬の吸入です。小学生以上くらいであれば吸入キットを使っていただき、それ以下の場合は、吸入器を自宅に用意していただいて液体で吸入していただきます。

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小児科では吸入器を用いることが多いので、このような液体で処方することが多いです。

 

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だいたい小学生以上であれば、成人と同様に、このような吸入キットを用いて吸入できるようになってきます。

 

状況によりけりですが、基本的にはガイドラインに従い、5歳以下であれば抗アレルギー薬を毎日の抗アレルギー薬内服をはじめに提案しますし、6歳以上ならステロイド吸入を先に考えることになると思います。

 

副作用は?

ステロイド吸入の開始時には成長の抑制や、体内で自然に分泌されているステロイドへの影響などの副作用を考える必要がありますが、現在のデータでは、通常量の使用であれば、大きな影響は無いとされています。


私としては、副作用を過度に心配するよりも喘息発作を抑制するほうが大切なことであると考えますし、そう思えるほどの発作頻度の場合に、予防治療をおすすめしています。

 

大切なことは、発作が起きるようであればステップアップ(抗アレルギー薬とステロイドを併用したり、ステロイドの量を増やしたり)したり、長期間うまくコントロールできるようであればステップダウンしたりして、治療のレベルを患者さんの状態に合わせ、最低限の治療で発作がない状態を維持することです。

 

 

他の手段として、「咳止め」は喘息発作のときも予防の場合も使ってはいけない薬です(ですので、「咳止め下さい」と言われると、ごめんなさい、という気持ちになります。発作時の咳を完全に止めてしまうのは難しいことです)。


また、「メプチン」のような発作時につかう気管支拡張薬がありましたが、これだけを長期に用いることは、副作用の観点などから避けるべきとされています。

気管支拡張の貼付け薬、「ホクナリンテープ」を咳止めと称して連用されるケースも散見されますが、これも副作用の観点から、「必ず吸入ステロイドと併用して使用(連用)されるべき」とされています。

 

 

これらの投薬が行われるようになって以降、入院するほどの大きな喘息発作を経験することは明らかに減りました。乳児にステロイド吸入を使用できるようになったはじめのころを思い出すと、本当に劇的な変化だったと思います。


いまの状況からは想像しづらいのですが、20年ほど前までは、喘息は命取りになることがある病気だったのです。

 

次は「喘息の気がある」と言われるのはどういう状況なのか、という話をしたいと思います。個人的には、「喘息の気がある」という言い方はしないのですが、じゃあどう説明すれば良いのかというと、、、難しいと感じることが多いです。