よしだこどもクリニックのブログ

京田辺市三山木駅前 小児科医院のブログです

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やってはいけない / やったほうが良い 感染対策

こんばんは。

 

 

まもなく学校が再開され、日常生活も普段通りに戻っていくものと思います。

 

しかし、完全には元に戻りません。
安心して生活するために、これまでよりも気を付けることが増えて、これまでと違った日常になるのでしょう。


一方で、今は期待と不安の入り混じった時期でもあり、色々な情報があふれています。

だいたいこれくらいの感染対策をしておけば大丈夫だろう、というコンセンサスができるまでは、あちこちで行う対策が違ったりして、混乱が起きるかもしれません。

 


というわけで、現時点でのリスクであれば、(子どもたちの)日常生活で行う感染対策はどのくらいか、ここまでするとやりすぎじゃないか、はたまた、そもそもそれは意味のない対策だ、といったことについて、私見を書いておきたいと思います。

 

その前にポイントとしてまず1つ、感染可能性完璧ゼロを目指すのではなく、子どもたちの心の健康も重視し、感染のリスクと、コストと、環境の激変を避けることとの、バランスをいつも考えましょう。

 

もうひとつポイント2として、コロナウイルスが飛沫感染であることを考えましょう。簡単に言えば、「アウトドア、空気の循環が十分な場所では感染しない」「それよりも物の表面に触れた手に注意しよう」ということです。

 

 

では、以下個別に考えてみます。


(やったほうが良い) 手を洗う エタノール消毒 

通常のハンドソープでよく、薬用石鹸は不要です。
また、固形石鹸は学校など多数が触れる場所では使わないのが原則でしょう。

 

手の洗いすぎ、消毒しすぎによる手荒れが増えていますが、手荒れがあるのにせっけんを使う必要はなく、流水だけでも十分な効果があります。手荒れがある場合は保湿剤もいっしょに用意するのが良いと思います。

 

エタノールの手指消毒は簡単で有効性が高いですが、手が汚れている場合は無効なので注意してください。もちろん手荒れにも注意が必要です。

 

机やドアノブを拭く場合は、エタノール単独だと効果がすぐに消えてしまいます。残留効果のある、塩化ベンザルコニウムなどを含む製剤のほうがお勧めです(いまはなかなか入手できません。リスクの低い日常では、水拭きだけで充分です)。


(リスクによる) 換気 

これから夏ですので、換気というかエアコンの季節になります。

感染がこのまま鳴りを潜めてしまえばそこまで気にしなくてもよいですが、もし散発的に感染がみられる状況が続くのであれば、定期的な換気、あるいは窓を開けたままということも考えられます。

 

コロナウイルスがどうなるにせよ、冬にはインフルエンザの季節がやってきます。その時には、「定期的な換気」についてはこれまで以上に重要視したほうが良いでしょうね。

 
(場面による) マスク 

なんだか、マスクは必須、みたいなイメージが出来上がってしまっていますが、基本的に「咳や鼻水がでている人」が「飛沫を他人まで飛ばさないために」つけるものだ、という原則に、そろそろ戻ったほうが良いと思います。

 

医療従事者のように、常に感染している人のそばにいる状況でしたら必要です。
また、感染者が多い時期であれば、日常での着用に意義が出てくるかもしれません。

 

しかし、基本的に健康な人たちが集まっている場所であれば、マスクが有効かどうかは疑問です。

 

また、アウトドアで、コロナウイルスのような飛沫感染のウイルスはほとんど感染しないといってよいと思います。屋外でマスクを着用することに意味はないでしょう。

 


(やりすぎ?) 学校でフェイスマスク 

フェイスマスクは本来、感染者に相対する医療従事者が着用すべきものです。

 

たしかに、フェイスマスクをつければ飛沫は飛んでこないでしょうが、
学校でフェイスマスクを着用した場合、学習効率に悪影響がないのか検討されるべきですし、子どもたちの周りの環境を変えることについて、心理的な影響も考えたほうが良いと思います。

 

何事も程度問題、リスクとコストのバランスを考えて検討すべきじゃないかな、ちょっと過剰対応じゃないかな、と思います。ある意味非常に日本人的な事例ですね。

 

(やってはいけない) 消毒薬の噴霧 

お店などで、「次亜塩素酸水」「オゾン」そのほか消毒と称する噴霧が行われていることがありますが、噴霧で有効&安全が証明されている消毒薬はありません


とくに小さい子どもに吸引させるのは現時点ではまったくお勧めできません

 

好意的に報道されたり、公的機関で採用されたりしていますが、
有害無益であることがもっと周知されるべきだと思います。

 

このままだと小学校等で広く採用されちゃったりするんじゃないかと、不安に思っています。


(意味がない) 空間除菌 

カードタイプのもの、首からかけるもの、設置型(クレ〇リンなど)のもの等がありますが、かなり以前から、無意味であることや、万一高濃度になった場合は有害であることが指摘されています。

 


(あまり意味がない) うがい 

うがいが感染を減らすというデータはありません。
ウイルスが口から入ったのであれば、時間がたってからうがいをしても意味がないからです。

ただし、誰かの咳やくしゃみを直接浴びた直後であれば、うがいして顔を洗いましょう。私もそうしています。


また、イソジンによるうがいはどちらかというと有害です。いまも市販されていますが、水のほうが良いです。やめましょう。

 

 

 

最近やっていたゲーム

Switchで配信された「GNOSIA」が大変よかったです。知名度低いですが名作だと思います(CERO Bですので12歳以上対象です)。

 

無限に存在する宇宙に漂い続ける宇宙船に思いをはせるとともに、最後まで終えると、初期タイトル画面のSQさんの顔にまで、何某かの感慨を覚えるようになるでしょう。

 

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